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プロヴァンストマトで本場マルセイユのブイヤベースを地中海沿岸、南フランスのカンヌ、マルセイユといった地域でもトマトをよく食べる。 ヴァレンシアでパエリヤを食べた年の夏、私は、マルセイユ市内の「シェーフォンフォン」というレストランで、今度はブイヤベースをいただいた。
魚介類の煮こみスープである。 わざわざこのレストランを選んだのは、まずブイヤベース発祥の地がマルセイユであること、そしてこのレストランがマルセイユきっての老舗で、ブイヤペースのつくり方は、ここがベースになっているといわれているからだ。
使われるトマトは、プロヴァンストマトといわれるもの。 皮が硬く、中玉ぐらいの大きさで、もちろん真っ赤。
シェフに聞けば、これまたイタリア、スペインと同じように「これじゃないと、ブイヤベースの色は出ない」とのことだった。 ブイヤベースと同じような魚介類のスープは、地中海一帯に広がっている。
たとえば、イタリアではズッパデペッシェ、スペインではサルスエラなどがそれにあたる。 いずれもトマトを使うことで、魚のうま味をさらに引き立てている料理だ。
本場のブイヤベースづくりには時間がかかる。 下地のフュメドポワソンを4時間かけてつくり、地中海沿岸のトマト料理は魅力的1日寝かせる。
さらに、そのフュメドポワソンを使って、スープドポワソンづくりに4時間必要だ。 このスープドポワソンは、味の強い8種類の魚にたっぷりのプロヴァンストマトとサフランを加えたものを、前日つくったフュメドポワソンで煮詰め、こしてつくった魚の濃縮だし汁である。
ここまでで下ごしらえは完了だ。 店でブイヤベースの注文が入ると、それから調理がはじまる。

つくりおきしたスープドポワソンに、地元でとれた魚とジャガイモを入れ、15分ほど煮る。 魚とジャガイモがやわらかくなったら、スープ皿に煮こんだスープドポワソンを入れ、食べやすいようにさばいた魚とジャガイモを大皿に盛りつける。
客は、スープにスライスした食パンを浸したり、大皿の魚やジャガイモをとって浸し、好みに応じてアイオリソース(ニンニク入りマヨネーズ)をつけて食べるのである。 このときつくったブイヤベースは、たいへん手がかかっているので、お手軽にできるズッパディペッシエのレシピを紹介しよう。
材料は、タラニ切れ、ヤリイカ(小)2杯、有頭エビ4尾、アサリ300グラム、タマネギ2分の1個、ニンニク2片、完熟カットトマト(400グラム)1缶、エクストラヴァージンオリーブオイル大さじ2、塩、コショウ各少々、水3カップ。

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